小規模のケア「宅老所」のご紹介
小規模のケア施設の種類に「宅老所」があります。
施設といっても一般的にイメージする鉄筋コンクリート作りの立派なものとは趣が違います。民家などを改修した建物を使ってサービスを提供しているところが多く、家庭的な雰囲気の中でサービスが提供されてます。
県内の宅老所の多くは、市街地や集落の中といった住みなれた地域の中にあり、地元のボランティアの方が参加されていることも多く、まさに「地域によって高齢者などを支えているところ」と表現することもできます。
具体的にどのようなサービスを提供しているかは、それぞれの「宅老所」によって異なっていますので一概には言えませんが、一例を少しですがご紹介します。

利用者がその日の夕食をスタッフと一緒に決めて調理するという光景を見ることが出来ます。
その日の新聞折り込みを見くらべ、安く売っている食材を探しスタッフといっしょに夕食の献立を考える。スタッフと一緒に買い物に行き、調理を手伝う。
そこには、家庭での生活と同じ「役割」があり、本人が生きがいを感じながら生活できる環境への配慮が感じられます。
宅老所は、利用者が比較的少人数であることから、利用者とスタッフや地域ボランティアとの馴染み関係が築かれやすい環境になっています。
認知症の症状に著しい改善がみられた方もいらしゃいます。


定期的に宿泊サービスを利用している女性がいます。
女性の70歳代の夫は、女性が宅老所に宿泊しているときは毎日宅老所に訪ねてきます。
夫は、妻といっしょに宅老所で夕食を済ませてから自宅に帰ります。
女性が病院に入院していたり、老人施設に入所していたとしたら、夫は毎日妻と会い、一緒に食事をする生活は難しかったかもしれません。


激しい入浴拒否の認知症のかなり重い女性がいます。
家ではかなり強引に家族が入れていたようですが、それも限界で宅老所に来られました。
いきなり知らないところへ連れてこられて環境の変化もあり、スタッフも初対面ですから入浴どころではありません。
利用されて3回目にようやく、
「さあ一緒にお風呂に入りましょう」先に女性スタッフが裸になると、あんなに嫌がっていたのにすんなりと入っていただけました。
そうですよね、知らない人の中で自分だけが裸になるって考えたらおかしいですよね。
もちろん同性介助なのは言うまでもありませんが。

小規模ケアのイメージ
私たちの取り組む「小規模ケア」をイメージする言葉をあっちこっちから拾ってみました。
小規模のケアをなんとなくイメージしていただけるでしょうか。
